
理事長挨拶
天理教の立教以来、今日までの180余年にわたる歴史の中で、本教内において初めてつくられた学校が天理教校です。開設は明治33年(1900年)4月。その開校式において中山真之亮初代真柱様は、学校設立の目的を「信心堅固にして而かも学識徳行兼備せる教師を養成」するところにある、と述べられています。すなわち、揺るぎない確かなこの道の信仰を養ったその上に、豊かな教養、高い見識を兼ね備えた用木の養成にこそ、天理教校設立の理念があるのです。
天理教校はその後、天理教管内のすべての教育機関の出発点として大きな役割を果たすと共に、中山正善2代真柱様の時代にめざましい発展を遂げ、天理教の進展に貢献してきました。
学校法人天理教校学園は、こうした天理教校の建校精神を受け継ぎ、「一人でも多くの道の子供をこのおぢばで学ばせたい」という中山善衞3代真柱様の思いを受けて、昭和49年(1974年)に設立されました。そして、同年4月に教会長後継者の育成を含む布教専従者の育成を目的とする天理教校附属高等学校を、さらに平成元年(1989年)には海外布教に寄与する人材の育成を目的に天理教校親里高等学校を開設し、両校の経営にあたってきました。
天理教校学園高等学校は、平成17年(2005年)に、天理教校附属高等学校と天理教校親里高等学校を統合して生まれた学校でありますが、両校の伝統を踏まえつつもそれをさらに充実発展させていくところに、本校の使命があると考えています。
天理教校学園高等学校の第1回入学式において、中山善司現真柱様は次のように述べられています。
「この学校は、天理教校の名を冠しているのであります。そういうところから私の望むらくは、同じ信条教育を基盤にしているとはいっても、そこはその教校の名の如く、その教育も教校らしく徹底したものがあってもらいたいと思っているのであります。…これは何も、勉強をしなくてもいいとか、そういうことではないのであります。私たちの場合は、教祖の教えを将来広く伝えていくのだ、どんな中でもこの道を通り抜くという信念の上にあっての勉学でありますから、信念を培うということを第一にしてほしいということなのであります」。
天理教校の名を冠する学校として、揺るぎない確かなこの道の信仰と豊かな教養、高い見識を兼ね備えた用木を養成することを根底において、「道の後継者、並びに、将来の国内外布教に寄与する人材の育成」、「徳分に応じて、その個性や能力を最大限に伸ばす視点での指導」を目指す上から、本校では2年次より群・コース制を採っております。
本校に入学してくれたみなさんが、このおぢばでそれぞれの夢を紡ぎ、信仰の喜びをもって将来勇んでこの道を通ってくれることを願ってやみません。